女子大生の姿勢と足圧中心、足圧分布の骨への影響を調べた。 方法:重心動揺測定装置に起立し、2m前方注視で立位姿勢から最大前傾、最大後傾を3回繰り返した。足圧は、緑色、赤色、白色の3色で圧力を表し、計測範囲は緑が50〜200g/cm^2、赤は200〜500g/cm^2、白は500g/cm^2以上の圧力分布面積と割合を示した。足形状として足長、足幅、足高を測定した。次に、足圧中心(COP)は、立位でCOP前後軸座標値をHライン(踵点と第二趾先点を結んだ線)上に投影し、足長に対する踵からの相対値を求め、左右平均値を算出した。姿勢は、耳垂、肩峰突起、上前長骨棘、膝関節、外顆にマーカーを貼付し、各姿勢を側方向よりデジタルカメラで撮影した。骨評価値は、超音波骨評価装置(AOS-100)により測定し、身体・体力測定、ライフスタイル調査を行った。 結果:(1)立位姿勢では、骨量が増加すれば、足圧への加重が前方と後方に分散して加わることにより、身体のバランスを取っていると考えられる。(2)前傾姿勢では、体格が大きい程、足圧がかからない状態でバランスをとることが可能であると考えられる。(3)後傾姿勢では、体格が大きい程、足圧が最もかかる領域が大きくなることで、バランスをとることが可能になると考えられる。(4)足圧中心は、Hライン上で立位姿勢から最大前傾および、立位姿勢から最大後傾への変位を算出し解析した結果、それぞれの変位と骨評価値との間に、有意な相関はみられなかった。(5)骨密度指標であるSOSと前傾・後傾姿勢の×座標差との間に、有意な相関が認められ、前傾・後傾姿勢における腰の定位と骨密度との関連性が示唆された。 結論:立位で生活する場面において、より安定した状態を保つためには、足圧をどのように加重するかが問題となる。また、姿勢制御と体重、骨密度、バランス能力などに関連が見られたことより、姿勢の保持には体格、体力および運動能力が複合的に関与していることが示唆された。
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