平成16年度の全国の自治体を対象とした冒険遊び場事業実態調査の結果より、プレーリーダーの養成が今後の冒険遊び場の活動推進には大きな課題であることも明らかになってきた。しかし、プレーリーダーの役割は非常に多岐に亘り、一朝一夕で習得できるものではない。また、冒険遊び場を事業化するにあたり、プレーリーダーの人件費を予算化することに対してその根拠となるものが求められることも明らかになった。 そこで、今年度の本研究では、冒険遊び場における常駐プレーリーダーの役割と資質について検証を行うとともに、プレーリーダー養成講座のプログラム開発を行った。 冒険遊び場における常駐プレーリーダーの役割は、世田谷区のプレーリーダー経験者や冒険遊び場関係の有識者に対しヒアリング調査を実施し、20項目の役割として整理した。これに合わせて、プレーリーダーの資質についても整理した。 プレーリーダー養成講座のプログラム開発は、日本冒険遊び場づくり協会が実施してきたプレーリーダー養成講座「遊育プログラム」について検証を行い、普及させていくためのプログラム開発や、全国各地での実施方法について、検討を行った。そしてこれらの検討に基づいた実践として、神戸市と佐賀市において講座を開催した。講座受講者からその評価や各地の活動への応用方法、今後の課題を抽出した。その結果、地方では首都圏と異なり、プレーリーダーという職業自体への認識が低いこと、世話人とプレーリーダーの役割が暖昧であること、子どもの自由な遊びに対する理解が少ないことなどが明らかになった。また、地方都市においても子どもがいきいきと遊べない状況にあるとともに、子育て不安を感じる保護者も多いため、冒険遊び場へのニーズは高いことがわかった。
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