冒険遊び場づくりに関わる活動団体数は、年々増加しており、2006年度末には、その活動団体数が200団体を越えた。行政が主体となる冒険遊び場もその数が増えており、冒険遊び場づくりに対する関心は高まっているとともに、その運営方法も多岐にわたってきている。ただし、その整備については、冒険遊び場のハードとしての整備に主眼が置かれることが多く、冒険遊び場づくりという活動をとおして、どのようにまちづくり、仲間づくりを行っていくのかといった点、自分たちの団体が目指すものは何であるのかという最も重要なテーマを置き去りにしている団体も少なくない。このような点から、冒険遊び場づくりに関わる大人の研修プログラムの開発は急務であるといえる。 本年度の研究では、平成17年度より2回の実践において検証してきた「プレーリーダー養成講座」のプログラムについて、冒険遊び場におけるプレーリーダーの役割に限定するのではなく、冒険遊び場づくりに関わるすべての大人を対象としたプログラムへと再構築を行った。そして、「根っこ編(基礎編)」に引き続き、まちづくりにおける参画者の「共有」を重視したプログラムとして、「幹・枝編(応用編)」の開発を行い、実施を行った。その結果、日本において冒険遊び場づくりに関わる大人は、まだまだその人数が限られており、対象者を絞りきることが困難であることがわかった。また、地域の実状に応じて、各冒険遊び場団体が抱える課題も異なるため、効果的なプログラム開発には更なる検討が必要であることが明らかになった。 一方、本研究では、都市における子どもたちの遊びの現状について改めて調査を実施し(調査対象:神戸市立西須磨小学校)、保護者と子ども達の双方が求める子どもの遊び環境について明らかにした。保護者は、住宅内での遊びでは、子どもの発生する音を気にする家庭が多く、地域に対しては、大人の見守る目がありアクセスの良い公園が求められていることがわかった。
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