本研究では、冒険遊び場づくり活動が「安全・安心のまちづくり」を推進するための有用な手段のひとつとして位置づけ、(1)冒険遊び場活動における行政関与のあり方、(2)冒険遊び場活動を支える大人(プレーリーダー)の養成方法および社会的位置づけの方向、(3)地域における子どもの遊び場に対するニーズ、遊び場整備のあり方、について明らかにすることを目的として研究を進めてきた。以下に各年度の結果を要約する。 1.平成16年度:全国的にみると、自治体として冒険遊び場事業に取組んでいるところは少数であったが、自治体によっては、開設当初から常設、常駐プレーリーダーの雇用を実現しているところもあらた。行政が事業を実施する場合、財政的な面でプレーリーダーの雇用などに貢献していたが、事業の継続を考える場合、継続的に予算を確保することができるのかが大きな課題となっていることもわかった。 2.平成17年度:冒険遊び場における常駐プレーリーダーの役割は、世田谷区のプレーリーダー経験者や冒険遊び場関係の有識者に対しヒアリング調査を実施し、20項目の役割および資質を整理した。プレーリーダー養成講座のプログラム開発からは、地方では首都圏と異なり、プレーリーダーという職業自体への認識が低いこと、世話人とプレーリーダーの役割が曖昧であること、子どもの自由な遊びに対する理解が少ないことなどが明らかになった。 3.平成18年度:都市における保護者と子ども達の双方が求める子どもの遊び環境について明らかにした。保護者は、住宅内での遊びでは、子どもの発生する音を気にする家庭が多く、地域に対しては、大人の見守る目がありアクセスの良い公園を求めていることがわかった。
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