研究課題/領域番号 |
16500496
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研究機関 | 京都光華女子大学短期大学部 |
研究代表者 |
前田 樹男 京都光華女子大学短期大学部, 生活環境学科, 教授 (60360319)
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研究分担者 |
小國 英夫 京都光華女子大学, 人間関係学部, 教授 (70224186)
平田 陽子 京都光華女子大学短期大学部, 生活環境学科, 教授 (10231549)
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キーワード | 高経年マンション / 管理組合 / 居住支援 / バリアフリー / コミュニティ / 高齢者指向度 / 児童指向度 |
研究概要 |
近年、建設後20年以上を経過した高経年の分譲マンションが増加してきており、管理面や生活面など様々な問題が表面化しているので、次のような各種の調査を行ない、成果が得られ、今後の研究の展望を切り開くことができた。 1)京都市内の管理組合へのアンケート調査を行ない、次のような研究成果を得た。 ■高経年化に伴い、高齢居住者の増加と車椅子利用者や障害を抱えた方など生活上の支援を要する居住者が増加していることが明らかになった。 ■集会室の利用状況を尋ねると、古いマンションほど管理組合業務以外の活動で、多様に利用していることが明らかとなった。その内容は、居住者交流の打ち合わせ、茶話会、会食会などが多く、また、児童向けの企画としては、子ども会事業や学習塾としての利用が多い。居住者間の助け合いや触れ合いの企画が多く実施されていることがわかった。 ■今後の地域コミュニティ活動の要望をみると、高齢者向けの要望としては、高齢者への声掛けが圧倒的に多く、次いで茶話会、デイサービス、高齢者の外出時の援助など、年を取って行動上の制約が生じることがらに対する支援を求める声も高い。児童向けの要望では、子ども会活動を中心に、お話教室など、大人と触れ合える活動に対する要望が高い。 2)居住者へのアンケート調査からは、次のような研究成果を得た。 ■世帯主の高齢化が進み、半数が50歳代以上である。70歳代以上も3割を占めている。 ■マンション内各所にみられる段差などについては、バリアフリー化を望む声が多く聞かれた。 ■高齢者のみの世帯では、食事会や住戸のメンテナンス、外出時の手助けなど、居住上の手助けが得られるシステムを待ち望む声が高く、居住支援の必要性が明らかとなった。 ■体の健康な居住者からは、何かできることがあれば協力したいという意思表示も多くみられ、マンション内で居住支援システムを整備していける可能性が明らかとなった。
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