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2004 年度 実績報告書

ヘム鉄とイソフラボンの新しい作用メカニズムの解明による保健機能食品の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16500503
研究機関東北大学

研究代表者

小川 和宏  東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30344659)

研究分担者 武田 和久  東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30311559)
キーワードヘム鉄 / ヘムオキシゲナーゼ / イソフラボン / ヘム
研究概要

ヘムは生体に必須の物質であるが、過剰の遊離ヘムはラジカル発生源で毒性が強く、ヘム分解酵素ヘムオキシゲナーゼ(HO)により分解される。HOの誘導性アイソザイムであるHO-1は、ヘムやNO放出性の血管弛緩薬ニトロプロシドナトリウム(SNP)、酸化的ストレスなどにより誘導され、抗酸化物質ビリルビンを生じるため、このHO-1誘導は重要な生体防御反応である。一方、大豆イソフラボンであるゲニステインとダイゼインはエストロゲン受容体(ER)に結合してエストロゲン様作用を発揮するが、ゲニステインはチロシンキナーゼを阻害するのに対しダイゼインは阻害しないという差異がある。ヘム鉄と大豆イソフラボンは栄養補助食品として広く摂取されているため、細胞レベルでの相互作用を調べる目的で、ヒト由来細胞を用いてヘミンやSNPによるHO-1誘導に対するイソフラボン誘導体の影響を解析した。
ERを発現していない肺癌由来のA549細胞では、ゲニステインはヘミン及びSNPによるHO-1誘導を抑制したが、ダイゼインはSNPによるHO-1誘導のみを抑制した。ERを発現している乳癌由来のMCF-7細胞では、ヘミン及びSNPによるHO-1誘導をゲニステインとダイゼインは共に抑制した。これに比べ17β-estradiolによるHO-1誘導抑制作用は、はるかに弱かった。これらの結果より、A549細胞ではヘミンによるHO-1誘導機構はチロシンキナーゼ経路を介し、SNPによるHO-1誘導はチロシンキナーゼ経路を介さない可能性が考えられた。一方MCF-7細胞では、イソフラボン誘導体によるHO-1誘導抑制作用は、チロシンキナーゼ阻害やERを介さない可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Hypoxemia and blunted hypoxic ventilatory responses in mice lacking heme oxygenase-22004

    • 著者名/発表者名
      Adachi, Ishikawa, Hida, Matsumoto, Masuda, Date, Ogawa, Takeda et al.
    • 雑誌名

      Biochem.Biophys.Res.Commun. 320

      ページ: 514-522

  • [雑誌論文] Regulation of heme oxygenase-1 and ligand-binding transcription factors by soybean isoflavones2004

    • 著者名/発表者名
      Ogawa, Nagata, Suzuki, Konno, Shibahara, Yanagisawa
    • 雑誌名

      Soy Protein Res., Japan 7

      ページ: 125-129

  • [雑誌論文] ヘム分解系-多彩な疾患への創薬標的-2004

    • 著者名/発表者名
      小川 和宏
    • 雑誌名

      日薬理誌 124

      ページ: 360-362

  • [産業財産権] ヘムオキシゲナーゼ-1誘導剤、培地製造方法、移植用臓器の保存液製造方法および実験動物生産方法2005

    • 発明者名
      小川和宏
    • 権利者名
      小川和宏
    • 産業財産権番号
      特願2005-72105
    • 出願年月日
      2005-03-14

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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