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2005 年度 実績報告書

食物アレルギー予防に向けた超高圧処理による鶏卵白の低アレルゲン化

研究課題

研究課題/領域番号 16500506
研究機関新潟大学

研究代表者

小谷 スミ子  新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (60018653)

研究分担者 鈴木 敦士  新潟大学, 自然科学系, 教授 (40018792)
原 崇  新潟大学, 自然科学系, 助教授 (20323959)
キーワード食物アレルギー / 超高圧処理 / 鶏卵白 / 低アレルゲン化 / オボムコイド / 好塩基球 / ベータ-ヘキソサミニダー / 消化酵素
研究概要

卵アレルギー予防に寄与することを目的とし、熱に代わる食品加工法として注目をあびている「超高圧処理」と「酵素処理」を組み合わせて卵アレルゲンの低減化条件を検討した。強いアレルゲン性を示すオボムコイド(OVMと略)に100〜600MPa(1,000-6,000気圧)の静水圧を加えた。アレルゲン性は好塩基球のモデル細胞として慢性骨髄性白血病患者の末梢血から樹立されたヒト好塩基球様細胞株KU812Fを用い、卵アレルギー患者血清IgE抗体を感作させたのち抗原OVM刺激によりヒスタミンと共に放出される酵素β-hexosaminidase(N-acetyl-β-D-glucosaminidase,E..C.3.2.1.52、NAGaseと略)活性を脱顆粒反応の指標とすることで評価した。NAGase放出率は圧力に依存して徐々に低下し300〜400MPa処理で20〜50%に低下した。その後圧力に依存して徐々に上昇したが未処理レベルまで戻らなかった。このことは超高圧処理によりOVMの高次構造が変化し、好塩基球の細胞表面にあるIgEレセプターに結合した2分子のIgEと架橋構造がとれにくくなったことを意味する。OVMを100〜300MPa加圧下及び加圧後に消化し、トリシン-SDS-ポリアクリルアミド電気泳動法で消化性を、ELISA法で抗体との結合性を検討した。0.1MPa、37℃で30分間酵素処理すると、抗体結合性はペプシンで40%に、トリプシンで80%に、キモトリプシンで70%に減少した。これはそれぞれの酵素の加水分解性の結果と相関した。加圧処理によりペプシン消化は増加したが、抗体結合性に変化は見られなかった。TPCK-トリプシンはOVMを消化しにくいが、加圧することで抗体結合性を低下させることができた。TLCK-キモトリプシンはいずれの圧力下でもOVMの消化を促進し、抗体結合性を減少させた。
以上のことからOVMを超高圧処理することで、好塩基球およびマスト細胞惹起の即時型アレルギーを抑制する可能性が示唆された。また、超高圧処理と酵素処理を組み合わせることでエピトープの切断を増加させ抗体結合性を低下させることができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 超高圧処理した鶏卵白オボムコイドの抗原性2005

    • 著者名/発表者名
      小谷スミ子, 原 崇, 松野正知, 鈴木敦士
    • 雑誌名

      日本農芸化学会大会講演要旨集

      ページ: 96

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 高圧処理が卵白オボムコイドのアレルゲン性に及ぼす影響2005

    • 著者名/発表者名
      小谷スミ子
    • 雑誌名

      日本家政学会第57回大会 研究発表要旨集

      ページ: 148

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 超高圧処理による鶏蛋白オボムコイドの低アレルゲン化2005

    • 著者名/発表者名
      小谷スミ子, 鈴木敦士, 原崇
    • 雑誌名

      平成16年度研究報告概要集(財団法人旗影会)

      ページ: 29

  • [雑誌論文] IL-4処理したヒト好塩基球様KU812F細胞と鶏卵白アレルギー患者血清を用いたヒスタミン遊離実験系2005

    • 著者名/発表者名
      泰松滋人, 原 崇, 松野正知, 鈴木敦士, 城斗志夫, 小谷スミ子
    • 雑誌名

      第52回大会講演集(日本食品科学工学会) 3Aa3

      ページ: 127

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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