研究課題/領域番号 |
16500518
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研究機関 | 昭和女子大学 |
研究代表者 |
森高 初惠 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (40220074)
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研究分担者 |
松本 孝 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (30119317)
飯野 久和 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (00146911)
高橋 真美 昭和女子大学, 生活科学部, 助手 (10245912)
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キーワード | 咀嚼 / 米デンプン / 飲み込み / テクスチャー / 官能評価 |
研究概要 |
粳米デンプン(NGRS)と糯米デンプン(GRS)の咀嚼と飲み込みの関係を明確にするために、食品のレオロジー的性質を力学的手法により、人の咽頭部における流速を超音波パルスドップラー法により、咀嚼・飲み込みに関する評価を官能評価法により検討した。NGRSの濃度は0〜24%、GRSの濃度は0〜30%とした。テクスチャーの硬さ、付着性、凝集性はNGRSおよびGRS共に米デンプンの濃度が増すのに従い増加したが、凝集性はある濃度になると一定の値を示し、その後変化は認められなかった。NGRSの硬さと付着性はGRSよりも大きかったが、凝集性はGRSの方がNGRSより大きかった。咽頭部を通過する米デンプンの食塊の最大流速はNGRSおよびGRS共に0〜6%までは大きく低下し、6〜12%では緩やかに低下し、18%以上では変化が認められなかった。横軸に時間を縦軸に食塊の流速を示した画像上の波形では、米デンプンの濃度上昇に伴って波形の輝度は高くなり、波形の大きさは小さくなり、食塊がまとまって咽頭部を通過している様子が観察された。官能評価を行った結果、NGRSおよびGRS共に米デンプン濃度が増加するのに従い、咀嚼により崩れにくくなり、飲み込みにくくなったが、咀嚼した食塊はまとまりやすくなると評価された。以上の実験結果から、NGRSおよびGRS共に凝集性が中程度のものでは、咀嚼しやすく、咀嚼時に適当なまとまりを作り、飲み込む力が弱くても飲み込めるために、高齢者にとって飲み込みやすい食品であると考えられた。
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