研究課題
基盤研究(C)
カンキツ果皮、ゴマ粕、米糠は、未利用食資源の食品加工副産物であり、これらを有効活用することを目的に機能性食素材への応用を検討した。また、醸造食品で使われる麹菌を用いてこれらを発酵処理し、抗酸化性を向上させた新機能性食素材の作製を検討した。カンキツ果皮(新姫を使用)中のフラボノイド類について、水、エタノール水溶液への溶出性を調べ、食品への活用を検討した。果皮を加温水への浸漬することにより、フラボノイドは比較的短時間に溶出され、加温アルコール水溶液は疎水性フラボノイドの溶出に適していた。カンキツ果皮フラボノイド(レモンを使用)は製パンへの添加により、パン生地の伸張度に影響を与え、製パン比容積の上昇させる効果が認められた。以上、カンキツ果皮フラボノイドの食品への応用面が示された。カンキツ果皮を黒麹菌で発酵処理するにより、抗酸化活性の向上が認められた。果皮に含まれるHesperidinが、アグリコンのHesperetinへ変換され、さらに、抗酸化物質の8-hydroxyhesperetinが生成し、これらが活性向上に起因していた。また、カンキツ搾汁残渣の機能性成分の検索から、抗酸化活性と血管接着因子の発現抑制効果を有するフェノール性配糖体が認められた。ゴマ粕は麹菌発酵処理により抗酸化活性が向上し、ゴマ粕中のSesaminol triglucosideが抗酸化物質のSesaminolやSesaminol6-catecholへ変換され、これらが活性向上に起因していた。米糠に含まれるFerulic acidを麹菌で発酵処理したところ、Vanilic acidへ変換されることが分かった。米糠を麹菌で発酵したところ、抗酸化活性の向上が認められ、γ-oryzanolから変換されたと推測されるFerulic acidとVanilic acidが生成した。さらに、Ferulic acidと同等の抗酸化活性を有しているPyranonigrin-Aが生成され、これらが活性向上に起因していた。以上、食品加工副産物を麹菌で発酵処理することにより、抗酸化性が向上した機能性食素材が作製することができた。そして、これら食品加工副産物の有効活用法が示された。
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