研究課題/領域番号 |
16500540
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
岡部 恒治 埼玉大学, 経済学部, 教授 (80087080)
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研究分担者 |
三島 健稔 埼玉大学, 工学部, 教授 (30245310)
鈴木 俊夫 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (20020472)
西村 和雄 京都大学, 経済研究所, 教授 (60145654)
西森 敏之 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (50004487)
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キーワード | 和算 / そろばん / 算数の教科書 / 算数教育 / 数学教育 |
研究概要 |
本年度は、昨年度に引き続き、研究代表者と分担者がそれぞれの担当の分野について、調査とその資料の収集とをおこなった。 そのなかで。研究代表者の岡部と分担者の西村は、これらの結果をデータファイルとしてまとめ、算数の教材の一部に取り入れて、算数の教科書をほぼ完成させた。 昨年、3年-5年の中核の部分を完成させたので、今年度取り組んだのは、そこまでの基礎を培う1-2年の部分と、それから後の中学校への橋渡しとなる6年の部分である。 本研究で得られた研究成果は、教科書全体に和算の直観的な思考法として用いられている。また、1-2年の教科書では、足し算や引き算が導入されるところでもあり、ここでは特にそろばんを効果的に用いることができることがわかった。 また、6年生の図形の部分では、建部賢弘の提唱した和算の思考法が有効であることも判明した。つまり、今回も以下の2点に注意しながら教材を開発することにした。 (1)足し算や引き算の繰り上がり、繰り下がりをそろばんを用いて、目に見えるように図示すると、生徒に理解しやい。 (2)図形の円や扇形の面積の計算法に建部のトイレットペーパーの方法が有効。 さらに、得られた成果を公開し、社会に還元し、教育効果を検証する作業も同時に進めている。たとえば、岡部は「文科省の理科大好きプラン」に協力する形で、20校以上の出前授業を行ったが、そこでも本研究で得られた和算の思考法の利用を効果的に用いている。またその中で得られた反省点や評価すべき点をフィードバックしている。 次年度以降も、引き続き教材に改良を加え、さらに中学校への方向性を示す予定である。
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