研究課題/領域番号 |
16500546
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
科学教育
|
研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
吉田 淳 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90115668)
|
研究分担者 |
川上 昭吾 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (10033896)
遠西 昭寿 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20135396)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2006
|
キーワード | 授業研究 / 学習指導案 / ビデオスタディ / 授業評価 / 教員養成 / 実践的指導力 |
研究概要 |
授業研究は、授業における構成要素である教師、子ども、教材の動的関係を時間経過に伴って追求する必要がある。教員の資質能力として、授業を分析研究する能力の育成を図ることも重要である。 過去2カ年は、小、中学校の協力校でいくつかの理科授業を収録しながら、評価分析する視点を再度検討した。その方法として小倉(2003)の方法を中心に研究を深めた。その分析視点は、大まかには4視点であり、(1)教育する事柄の工夫(学習課題、教育内容の扱い、学習方法の工夫、前時間との関連性)、(2)教育技術(授業形態、教材・教具、学習状況評価)、(3)学習活動の活性化(学習支援、子どもの主体性・意欲の喚起、学習時間)、(4)学習環境(信頼関係、学級づくり、環境整備)である。この方法の利点は、教師自身がどのように創意工夫したかを第三者が客観的に判断する視点を与えることになり、評価者がどのように判断する傾向があるかも明らかにすることにもなる。 2007度は、これまでと同様に小、中学校の協力校でいくつかの理科授業の収録を進めた。これまでの授業記録の収集から、2台のビデオカメラにより理科授業を的確に記録する方法について確立できた。また、教員養成学生が、上記の授業分析の視点((1)から(4))から授業を観察評価することができるかを明らかにしてきた。具体的には、学生に中学校理科授業ビデオを視聴しながら、教師のどのような行動が優れているか、あるいは問題があるかを逐次評価する能力を調査した。調査対象として教育実習経験がある群(教員養成課程3年=合計5週間の実習後)と無い群(環境教育課程2年)の各30名程度とした。その結果、(1)教育実習を経験した学生は、上記の視点(1)から(3)の観点から評価し、優れている面と問題がある点の両面を指摘することができた。(2)一方、教育実習の経験が無い学生は、おもに、教材・教具などについての観点((2)の一部)を評価し、評価観点の広がりは少ないことが明らかになった。さらに、(3)理科教育法の講義に「優れた理科授業とは」を解説した後では、両群とも、観点の大幅な拡大が見られ、理科授業の見方が多様になったことが分かった。
|