研究概要 |
1.デジタル簡易可視分光光度法を用いた化学実験教材の開発 デジタル画像のスペクトル変換解析の理論と方法に関する基礎的研究とデジタル可視分光法の実験教材への応用についての検討結果をもとにして,さらに多様な実験教材にデジタル簡易可視分光法を適用する可能性について継続的に検討した。特に,デジタルビデオカメラにより撮影したデジタル画像のスペクトル変換解析による時間分解可視分光法について,BZ反応を測定対象として検討した。また,デジタルカメラを用いて撮影した顕微鏡写真を用いた顕微可視分光法の開発に取り組み,植物細胞中の葉緑素の可視スペクトルのシュミュレーションを行った。さらに,葉緑素の抽出液にブラックライトを照射し赤色蛍光のデジタル写真から蛍光スペクトルをシュミュレーションする方法を確立した。 2.高等学校における実践的研究 ベンゼンのスルホン化反応について,生成物であるベンゼンスルホン酸をPVCシートに吸着させ,着色したPVCシートのスキャナー画像のスペクトル変換によりベンゼンスルホン酸の簡易定量を行う実験方法を開発した。この手法を用いてベンゼンのスルホン化反応のマイクロスケール化に取り組み,生徒実験の方法の詳細を確立した。高等学校においてベンゼンのマイクロスケールスルホン化およびデジタル画像のスペクトル変換解析を応用したベンゼンスルホン酸の簡易定量法を用いて試行授業を行い,高校化学における実験教材としての有用性を検証した。 3.デジタルコンテンツの開発と公開 高校化学教育支援を目的として,本研究の成果をデジタルコンテンツとしてまとめた。本研究で開発したデジタルコンテンツは,随時ホームページにおいて公開予定である。
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