研究概要 |
本年度は、昨年度の実践実績を基に立てられた計画を遂行してその結果を検討した。 江田島市環境館をコア施設として設定したもので、前年度,前々年度好評であった底引き網を中心にしたものであった。夏〔6月〕の底引き網では他の季節と異なり、季節の違いで採集される生物の違いに連続して参加している学生達は驚嘆していた。また保護者と共に参加した小・中学生達は生物の多様性を実感しているようであった。採集された生物を環境館に持ち帰り、同定作業に取り掛かったが、その日のうちにほぼ全種の同定が終わった。参加された保護者は里海と言う概念を船上で体験していた。特に船上からの景観は非常に珍しく自分の生活場所の確認に追われていた。そしてその状態を再認識していたようだ。さらに漁業見学体験から仕事の内容について認識(厳しさなど)を新たにしていた。保護者達も生物の多様性について改めて認識していたし,不思議さも感じていた。しかし,一方で子どもについてきたと言う面があり,積極的に生物について知ろうという意欲はあまり感じられなかった。この点は改善すべき問題点であった。ただ食用の魚については食べると言う点でのみ興味を示していたようであった。再度,生涯学習者として全年齢の人に活動することの妥当性が議論され、少しでも里海環境についての体験をすることの重要性は確認できた。 12月海岸散歩を実施した。冬の海岸を散歩することにより,カキの分布についての体験ができた。付着するカキの状態も良く観察できた。養殖についての情報は昨年度の体験もあり豊富であるが,実際の自然分布についてよく認識できたようであった。 1月に夜の観察会を行なった。これは大潮干潮時が午前4時頃になるためであり,冬の海辺に多様な生き物が手にとり観察できることで興味が引かれていた。また夜中の真っ暗な中でライトを持ち観察すると言う体験自体も興味を持っていたようであった。
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