本年度は2つの教材開発を試み、それを用いて大学で授業実践を行った。 1)小麦粉のドウに油をつけてのばす麺教材 麺教材の材料はこれまでウドン作りに使われている方法と同じく小麦粉(中力粉)、塩、水であり、それを用いてドウを作るが、児童や大学生に興味関心を持たせるため、食用油を用いて手で伸ばす方法を採用した。この方法によりレオメータで物性を測定したところ、ドウに油をつけることにより応力が著しく変化した。また、大学生による3回の授業実践の結果、この方法での麺伸ばしはほとんどの受講生に感動と驚きをもたらしたが、かなりの熟練を要するため、限られた授業時問内では児童生徒に技能の定着が難しいと考えられた。そのため油をつけたドウを手で少し伸ばした後、麺棒を用いてきしめん状に伸ばしてから茄でて試食する方法を考えた。 2)カラギーナンによるブラマンジェの教材 今回の教材開発ではこれまの教科書にあるプリンやブラマンジェでは見られない出来る限り市販に近いものを作成するため、プラステチックカップ容器を用意し、その上にアイロン熱でフィルムをシールしてラベルをつけたもの考案した。材料にはカラギーナン、牛乳、砂糖、コーンスターチを用い、イージーオープンフィルムにはパソコンで品名、原材料名、内容量、保存方法、賞味期限、使用上の注意、製造者等をカラー印刷した糊付きラベルを自作した。また、地域の特産物を生かすため徳島県の県木であるヤマモモをソースとして用いることによりこれまでには見られない画期的なブラマンジェを試作できた。また、大学生、大学院生を対象とした2回の授業実践で教材としての有用性を確認した。
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