[1]都市河川の新たな生物・化学的指標の開発とこれらを用いた問題解決型環境教育の実践 大学生が河川環境の保全度(健康度)や水環境を測定・評価でき、しかも都市の水環境の新たな問題や課題を発見できる生物・化学的指標を用いた以下の方法を開発し、これらの手法を用いて、学生が現状の把握と問題点の解決、解決策の提言を行える環境教育・科学教育を実践した。 (1)河川生態系の健康度や保全度を数値で評価できる底生生物を生物指標に用いたIBI (Index of Biological Integrity)およびその簡便法を開発した。また、その手法を用いて首都圏河川の保全度(健康度)を評価できるマップの作成、問題点の発見、解決策の提言を行えるプログラムを開発した。さらに、多自然工法による河川改修や復元を行った河川の評価も試みた。 (2)新たな微生物指標および微生物による潜在的危険を測定するための簡便法の開発を行ない、多摩川と鶴見川の支流を対象として、大学生による測定、現状評価を行った。 (3)河川の景観評価を可能にする簡便法を開発し、「フィールド環境演習」の授業に用いた。 (4)環境基準には用いられていない新たな化学的指標(C-BOD、N-BOD)を用いて、神奈川県の3つの河川で、学生主体により、この手法の有効性を検討した。 [2]「熱帯雨林の保全と復元」プログラムの開発・実施と学生によるプログラム評価 日本の学生を対象として、オーストラリア・クイーンズランド州の熱帯雨林で、過去のプログラムで植林を行った熱帯雨林、孤立した熱帯雨林を緑の回廊でつなぐ復元活動の結果を現地調査により把握し、その有効性を明らかにできるプログラムを海外共同研究者と共同で開発し、2週間のプログラムをオーストラリアのアサトン高原の世界遺産に登録されている熱帯雨林で実践した。また、学生によるプログラム評価を行い、その結果を統計的手法を用いて解析した。
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