本年度は、この研究の最終年度であり、嶺岡構造帯の自然環境に関する基礎調査のまとめ、新たに制作した展示教材の常設展示への組み込み、地形を主題にした博物館の講座・観察会の実施を行った。またこれらの成果をまとめた学術論文、報告書の作成を行っている。 (1)嶺岡構造帯の自然環境に関する基礎調査 平成16〜18年度にかけて行った空中写真判読及び現地調査を基に、鴨川〜保田の嶺岡構造帯の地形分類図(水平縮尺10万分の1)を作成した。またその一部の嶺岡山地及びその周辺の丘陵については、地質や地形形成営力との対応を示した詳細な地形分類図(2.5万分の1)を作成した。 (2)展示教材の製作と常設展示への組み込み 昨年までに積層した地形模型(50万分の1関東平野、2万分の1嶺岡構造帯、2.5万分の1嶺岡山地とその周辺の丘陵)について、上記の基礎調査で作成した地形分類図を基に色塗を行った。またこれらを千葉県立中央博物館地学常設展示に組み込むため、展示更新計画、模型の展示台、解説パネルの作成、地形の効果的な展示手法についての検討を行った。新たな展示は平成20年7月から実施する予定である。 (3)地形を主題にした講座・観察会の調査法・指導法の定式化 本研究期間及びそれ以前に実施した地形を主題にした講座・観察会の事例を基に、観察内容やルートの作成、事前調査のポイント、当日の指導法などについて考察した。また参加者からのアンケート結果を整理し、講座・観察会の評価と今後への課題を明らかにした(学術論文、報告書の作成中)
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