研究課題
本研究では、中学校や高等学校の理科教育のなかで科学史を活用するための方途を、ソフトしハードの両面から探ろうとするものである。ハード面に関しては、中学校や高等学校の理科教育のなかで活用可能と推定される歴史的な装置の調査を行った。まず最初に行ったのは、「エレキテル」という名で保存されている場合が多いが、実際は静電気を利用するタイプではなく、誘導電気を利用するタイプの装置である。このタイプの装置は、電気治療機の名で呼ばれることもある。このタイプの装置は全国で7台の存在が確認されており、そのうちの5台についての調査を行った。その結果は、「江戸時代に製作された電気治療機の特性調査」『佐久間象山』(松代藩文化事務所管理施設)として報告した。また、トヨタコレクション蔵の装置については、同コレクションの様々な装置が紹介される予定の『ものづくりの源流トヨタコレクション』に報告を投稿した。これらの調査を通して、「電気治療機」と呼ばれる装置の詳細な特性が明らかとなり、中等理科教育における教材として活用する目途がついたと言える。今後は、以電気治療機外の他の歴史的な装置についても調査をすすめていく予定である。ソフト面に関しては、科学史を教育の場で活用するための教材の一つであるMind Worksを取り寄せ、その検討を開始した。Mind Worksとは、アメリカの理科教育改革運動として、現在進行中のProject2061のなかの事業のなかで達成された成果の一つである。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (1件)
佐久間象山
ページ: 4-9