研究課題
基盤研究(C)
本研究では、中学校や高等学校の理科教育のなかで科学史を活用するための方途を、装置と方法の両面から探った。装置に関しては、誘導電気を利用するタイプの「エレキテル」を調査した。このタイプの装置は全国で7台の存在が確認されており、そのうちの5台についての調査を行った。その結果は、「江戸時代に製作された電気治療機の特性調査」『佐久間象山』(松代藩文化事務所管理施設)として報告した。また、トヨタコレクション蔵の装置については、『TOYOTA COLLECTION ものづくりの源流』のなかで報告した。これらの調査を通して、「電気治療機」と呼ばれる装置の詳細な特性が明らかとなり、中等理科教育における教材として活用する道が開けた。熊取町立熊取南中学校(大阪府)において、文化祭の総合企画の一環として、生徒らとともにエレキテルの製作を支援した。この装置は、これまで、わが国の理科教育のなかで製作されていない新たなタイプの装置である。誘導電気を利用するタイプの装置を製作した佐久間象山の技術論に関しては、『技術と身体』において報告した。また、彼の故郷である長野市立松代小学校において、創立150周年の企画事業の一つとして、この装置を使った学習活動がすすめられた。装置の原理や運転の方法を紹介し、体験学習の支援を行った。科学史を活用したその他の教材は『地域環境を主題とした総合学習展開』のなかで報告した。
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佐久間象山の世界 1
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The world of Sakuma Syozan 1