研究概要 |
大学学部における教養教育のための学習者特性に応じた柔軟な中級レベル情報教育カリキュラムの開発を進めるためには,めざすべき中級レベル情報活用能力の内容の検討がまず必要であった。そのため,平成16年度には,主に次の3つの観点から研究を進めた。1.国内の大学学部で専門教育科目として現在開講されている中級レベルの情報教育科目に着目し,国内の大学学部でそのような専門科目を開講している学科を対象とする,中級レベルの情報教育カリキュラム及びその教材に関する実情調査を実施した。そして,その内容に関する検討を行った。2.受講学生の中級レベルの情報活用能力の測定のための質問紙の検討を行い,中級レベル情報活用能力測定尺度(井上・小川,2002)をもとにして,情報活用の実践力に関する,より適切な修正尺度の原型を作成するとともに,情報の科学的な理解や情報社会に参画する態度等を測定する数種の質問紙に関する検討を行った。3.現在高校で実際に行われている教科「情報」の授業が,どのような内容で,どのような授業形態で,どのようなレベルまでをめざして実施されているのかを把握するために,S県の高校の教科「情報」の担当教員を対象に,質問紙による調査を行った。その結果,高校で学習される初級レベルの情報活用能力の実情が明らかになり,さらに高校間の違いによって内容やレベルに差異が見られることも判明した。以上のような研究の結果より,本研究がめざすべき中級レベルの情報活用能力の内容というものがかなり明確化された。
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