研究概要 |
本研究の目的は,小学校等においてWeb利用の動向を可視化し異常発見を支援するネットワーク管理ツールを構築することである.現在,学校におけるインターネット利用の大半はWebの利用であり,外部へのアクセスの中に望ましくないものが潜んでいる可能性を否定できない.そこで,ネットワークの管理者は,自組織の利用状況を適切に把握しておくことが求められるが,個人のプライバシーに配慮しながらの作業は困難である.そこで,Webの閲覧履歴を統計的に処理し,同時に閲覧履歴を可視化する方法を提案する.この可視化された情報は、全体の閲覧動向を表したマップとなる.情報の可視化によって管理者は利用動向を直観的に理解可能となる. 本研究は,I.システム構築,II.実証実験,III.成果公開の3つの段階を経て進める予定である.平成16年度は主にI.システム構築に取り組んだ。まず研究全体の計画を立てた.ここでは,システム開発という点だけではなく,その後の実験,システムの公開の手順の検討を含め,研究全体を見通して立てた.そして,システムの設計をおこなった.システムの設計は,下位の機能部品の設計に注意しておこなった.この段階では採用するモデル等について実験等をおこない,デザインを詰める必要があった.次年度以降,引き続きプロトタイプシステムを作成する予定である. 平成16年度に購入した開発用ノートPC等を用いてサンプルのデータを用いた予備的な実験をおこなった.今後,この開発用ノートPCをシステム開発に用いる.研究を推進する上で,ベクトル空間モデルを用いた情報処理に関する研究,情報の可視化に関する研究に関して内外の研究者らと研究打ち合わせをおこない,研究を進める上での重要な示唆や新たな発想を得ることができた.
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