研究概要 |
現在Webブラウザを利用したコース管理システムを中心としたeラーニング(ネットワークを利用した遠隔教育)による教育の情報化が世界規模で進んでいる。しかし,多くの利点にもかかわらず,国内では大学全体としての組織的にこの種のシステム利用に取り組んでいるところは少ない。それは,このようなシステムのために教材を作るには多大な手間がかかることと,教材を作成するツールの操作性が一般に劣悪であり,適切な指示や支援なしに初心者が教材を作ることが困難なためである。 本研究の第一の目的は,教材作成者の操作履歴情報からデータマイニング的手法を用いてツールの操作のそれぞれの場面で最も適切な指示を自動的に生成し教材作成を補助する。知的支援システムを構築することである。また,学生が学習に利用する局面において,学習履歴情報からデータマイニング的手法を用いて,学習者に対する指導のための情報を教授者に提示することにより,教授者を支援する知的支援システムを構築することを第二の目的としてる。 本研究の目的である知的なシステムを構築するためには,収集した履歴情報と実際の教材作成者の挙動を照らし合わせた訓練データから,より正確な分類規則や推論規則を生成し,さらに予測されたデータの妥当性を検証する必要がある。今年度は,研究の第一の目的を達成するために,データの収集と,収集したデータをもとに試験的なシステムを構築した。
|