研究概要 |
現在Webブラウザを利用したコース管理システムを中心としたeラーニング(ネットワークを利用した遠隔教育)による教育の情報化が世界規模で進んでおり,多くの大学で全学的な導入と利用の本格化に伴い,担当部署の多くは,講習会や講演会の開催,独自の利用マニュアルの作成,過去の質疑応答の蓄積と提示等のさまざまな形態により,eラーニングシステムの利用促進と利用支援を行っている。 これらの利用支援の形態は,利用者に対して系統的にシステムの利用方法を事前に習得させるというものと,システムを実際に利用している最中に作業上の問題が発生した利用者に情報を与えるというものの二つの種類に大別される。後者の支援の具体的な内容は,専任スタッフによる助言やマニュアル等の関連文書の参照などであり,即応性・的確性が要求される。しかしながら,専任スタッフの不在や利用者が適切な情報を探し出せないといったことが日常的に存在する。特に,支援のための情報自体が印刷物やWebページ等多種多様な形式で存在しており,一箇所に集約し統一した環境での利用が困難であることが多い。 そこで本研究では,支援情報の蓄積を容易にするとともに,eラーニングシステムの利用者の利用局面を分析し,状況に適した支援情報の提示を行う知的利用支援環境を構築した。 本支援システムは,支援情報の蓄積機能,蓄積した支援情報に対する自由形式のキーワード指定による検索機能,eラーニングシステムの利用状況に応じた支援情報の提示機能,から構成される。 本研究で構築したシステムを運用し,支援情報の蓄積を行い,本システムの有用性を確認した。
|