研究概要 |
本研究では,現在申請者らが開発し運用している携帯電話を利用したリアルタイム授業評価システムの機能を拡張し学習者が携帯電話のWebブラウジング機能を利用して,任意に毎回の授業評価結果を検索,閲覧可能となるために必要な機能の開発を行った.開発にあたり,ユーザインタフェースの改善も行った.このような携帯電話による授業評価結果検索・閲覧機能をシステムに付加することで,授業評価結果を自身の学習状態の把握や学習の進捗管理に役立てるといった,学習者自身による適切な授業評価結果の活用が可能になった. 本年度は研究機関の最終年度にあたり,平成16年度,平成17年度に行った運用実験のデータ分析を中心に行った.特に,携帯電話のユーザインタフェースが本システムの運用に及ぼす影響に関する分析結果を関連学会で報告し論文を学会誌に発表した.実験結果の分析によって,授業評価入力に適したユーザインタフェースが示された.特にユーザインタフェースによって授業評価値が影響を受けることも示唆された. また,携帯電話を利用した授業評価システムを運用するにあたり,ケータイ電話の機種やキャリアの影響についても分析を行った.評価値入力時間の分析の結果,携帯電話のキャリアの影響がみられた.一方,端末メーカの影響はみられなかった. 以上のような実験分析結果をもとに,携帯電話を利用した授業評価データ管理機能について更にシステムの充実をはかり,授業評価データ閲覧機能の授業への応用について検討を行った。さらに,携帯電話の利用経験といった利用者の内的要因との関連も検討を行った.
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