研究概要 |
オブジェクト指向技術は,ソフトウェアの部品化と再利用という面で,その課題解決に有効な手段として期待されている.再利用の単位として,アプリケーション・フレームワークとコンポーネントは,その主要な要素であると実際のプロジェクトでも指摘されている. 教育分野でもその応用研究が進められているが,教材の再利用が中心であり,アプリケーション・フレームワークや教材以外のコンポーネントまで考慮されていない.われわれは,既に,リポジトリを用いたe-learningシステムの統合開発環境REBECCAを提案している.REBECCAでは,e-learningシステムのアプリケーション・フレームワーク,教材部品(instructional object),教授方略部品(pedagogy object)がリポジトリに蓄積され,再利用できるように構成されている. インターネットの急速な進展によって分散処理技術にもWebサービスのような新たな萌芽が生まれている.これまで,われわれは,分散オブジェクト技術としてCORBA(Common Object Request Broker Architecture)をREBECCAに適用してきたが本研究では,CORBAとWebサービスを比較,検討しながら,Webサービスの適用可能性を分析した. その結果、現状ではCORBAの方が、標準化が進み技術に一貫性があるが、今後のIT動向として、SOA(Service Oriented Architecture)の定着する可能性が高いことを考慮すると、Webサービス技術を基盤とするe-learningシステムの開発は、極めて先進的なアプローチといえる.そこで、今年度は、協調学習型e-learningシステムにwebサービスの適用を試み、そのアーキテクチャとしての有効性を把握することができた.
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