研究概要 |
ソフトウェアの部品化と再利用では,その粒度がこれまでの経験から重要であることが分かっている。アプリケーション・フレームワークとコンポーネントは,再利用する上で、その粒度が適切であると実際のプロジェクトでも指摘されている。 教育分野でも教材をSCORMに基づき部品化し、再利用することやオープンLMSなどアプリケーションフレームワークの再利用が進められている。 われわれは,既に,リポジトリを用いたe-learningシステムの統合開発環境REBECCAを提案している。REBECCAでは,e-learningシステムのアプリケーション・フレームワーク,教材部品(instructional object),教授方略部品(pedagogy object)がリポジトリに蓄積され,再利用できるように構成されている。 昨年度の研究において、REBECCAのWebサービス化の方向性を確認したが、今年度の研究では、Webサービス化に向けてWebサービスの実装環境を調査し、Apache Axis2が利用可能であることを確認した。また、教材の標準化を目指しSCORM2004の機能を調査した。とりわけ、REBECCAで重要となる学習者適応への応用が期待されるシーケンスイング機能について調査し、REBECCAの機能が実現可能であることを確認した。 さらにWebサービスの基本的枠組みである、サービスリクエスタ、サービスプロバイダ、サービスブローカの各機能を、e-Learningシステム上の教材部品を開発、再利用する環境に応用することを検討した。この開発環境が実現できれば、ネットワーク上に分散する教材部品の再利用が容易に行えることが期待される。
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