研究課題
基盤研究(C)
本研究は、大学の授業改善に対して、授業において直接学習者に感想文やイメージ図を描かせ、これを学習者レスポンスとして分析することにより、授業を改善する研究を行ったものである。大学の授業改善は重要な課題であるが、特に私立大学においてはその経営基盤をなす教育方法の改善は極めて重要な課題であり、多くの学生の興味や意欲を引き出しながらかつ一定の水準を確保するという厳しい状況にある。そして授業改善は、方法論の問題だけでなく、カリキュラム構成の仕方や教員資質の養成(Faculty Development)の問題でもある。本研究は、日本の女子大学の授業を対象に、学習者に感想文やイメージ図を描かせ、これを学習者レスポンスとして分析することにより授業改善を行うことを目的とした。このため、携帯メールによって学習者レスポンスを収集するシステムを開発し、成績上位と下位を比較した結果、知識は下位に考察は上位に多く、統計的に有意な差があることを示し、知識を与えるだけでは授業改善として十分でないことを明らかにした。また、学習意識のアンケート調査を実施して因子分析を行い、学習者の意識に「興味・関心」「意欲・行動」「知識・理解」「考察・洞察」の因子が存在することを示し、これによって様々な手法で得られた4つのカテゴリが、総括的に4因子として抽出され、授業を規定する因子構造として同定されることを示した。その上で意欲と考察は成績との問に強い相関があることを示した。そして意欲と考察を向上させるために、学生に共同作業と相互評価を行わせる授業方法を提案し、実践的な研究を行い、共岡作業と相互評価に効果があることを明らかにした。同時に小中学生の意欲と考察が有効であることを示した。また感想文分析の自動化のための基礎的な検討を行い、形態素レベルでは成績間に差を認めないが、上位者の文章は授業内容を再構成していることを示した。
すべて 2007 2006 2005 2004
すべて 雑誌論文 (12件) 図書 (1件)
自然言語処理 第14巻 第3号(印刷中)
日本教科教育学会誌 第27巻 第1号(印刷中)
東京工業大学 大学院 社会理工学研究科 人間行動システム専攻 平成18年度 博士学位論文
ページ: 1-169
Journal of Natural Language Processing Volume 14 Number 3 (printing)
The Bulletin of Japanese Curriculum Research and Development Volume 27 Number 1 (printing)
Doctoral Thesis, Tokyo Institute of Technology
ヒューマンインターフェース学会誌・論文誌 第8巻 第1号
ページ: 95-100
Journal of Human Interface Society Volume8 number1
日本教育工学会論文誌 第29巻 第4号
ページ: 455-462
Japan Journal of Educational Technology Volume29 number4
ページ: 445-462
教育システム情報学会誌 第21巻 第3号
ページ: 214-222
Transactions of Japanese Society for Information and Systems in Education Volume21 number3