研究概要 |
小学校低学年の子供たちを対象とした,コンピュータ内の仮想空間における三次元造形と形状操作の教育を支援するエデュテイメントソフトウェアとして,組み合わせブロックを使ったモデリングシステムを作成した.このシステムでは,現実のブロックと同じ形状の仮想ブロックを実際と同様に前後・左右・上下に結合できる.ブロック同士の衝突判定を行うので,ブロックがぶつかった時には実世界と同様にそれ以上先に動かすことはできない.また,接続したブロックは自動的にグループ化され,ひとまとまりとして操作できる.ただし,ブロックの操作を簡単にするため,移動は縦,横,高さの方向,回転は各軸の周りに90度単位に限定している. このシステムの特徴は,右手による物体操作(マウスを使用)と,左手による視点操作(キーボードを使用)を並行して行えることである.ただし,キーボードによる視点操作では,矢印キーを使うため,移動・回転の方向が限定されてしまう.試用実験でもこの点が指摘されたので,視点操作にトラックボールを使うように変更した.また,ジョイスティックやゲームパッドなどの子供にとってなじみのあるデバイスでも操作できるように,アクションマッピングの手法でこれらのバードウェアに任意の視点操作関数を割り当てることができるようにシステムを改良した.さらに,これらのデバイスに附属するボタンにメニュー上のよく使う機能を割り当てた.これにより,メニューをクリックするためにブロックの操作を中断する回数が減り,操作性が改善された. さらに,結合したブロックを任意の場所で2つのグループに分割する仕組みを考案した.これは,投げ縄を模したツールで分離箇所を指定することで,直感的にグループに分けるもので,片方の手でブロックを抑えて,もう一方の手でブロックを掴んで動かす操作を近似するものである.この手法は現在実装中である.
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