研究概要 |
本研究では,組み合わせブロックをモチーフとして,コンピュータ内の仮想空間における三次元造形と形状操作の教育を支援するエデュテイメントソフトウェアを作成した. まず,ブロックを同じ大きさの立方体を並べて作ることのできる形状に制限したシステムを作成した.ブロックのモデリングで最も時間のかかる処理はブロックの衝突・接合判定である.ブロックの最小単位を決めることで,その大きさで空間を格子分割して効率よく衝突判定できるようになった.次に,ブロック位置関係を容易に把握できるようにするため,トラックボールを使った視点移動インタフェースを実装し,ブロックと視点の同時移動を実現した. さらに,実際のブロックと同じように曲面ブロックを扱えるようにするため,ブロックの形状を通常の三次元グラフィックスで使われているポリゴンによる記述に改めた.そして,それぞれのブロックに対してOriented Bounding Box(OBB)を階層的に定義しておき,OBB木どうしの衝突判定を行うことで,処理時間を短縮した. 現実のブロック遊びでは両手を同時に使うことが多いが,通常のPCにはマウスが1つしか付いていないため片手で作業するほかない.そこで,PCのUSBポートにマウスを1個追加し,2つのマウスで左右の手の動きを模倣するデュアルマウスインターフェースを開発した.これにより,実際と同様に両手を使ったブロック操作が可能になった. さらに,両手を使ってブロックの塊を分割する手法を提案した.この手法では,まず,選んだ2つのブロックの中間に切断面を設けて,ブロックを2つに分ける.ただし,このままでは繋がっていないブロックが同一グループに含まれてしまうことがあるため,マウスで選んだブロックとの接続を調べて,繋がっているものだけをグループとして再構成する.このアルゴリズムは,現在システムに実装中である.
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