研究概要 |
本研究は携帯電話をモバイルラーニング(m-Learningと表記)機器として位置づけ,学習コンテンツを効果的・継続的に提供するシステムをデザインしていくことを目的として,以下のような研究を行った. (1)m-Learning教材の開発・公開ための環境整備 携帯電話用Java/Flashアプリケーションの実行が可能なプログラム開発環境をパソコンへインストールし,HTTP通信を含むデバッグやエミュレーションなどを行えるようにした.学習コンテンツを配信するためのWebサーバを購入・設置し,ダウンロードサイトを立ち上げた. (2)m-Learningコンテンツの開発 初年度は国語,英語,社会,数学,情報,理科の教科からいくつかの分野を選定し,基本問題集を作成した.これらは学生の基礎学力の向上・チェックに役立ち,また,就職試験の対策などにも利用できる.解答方式は携帯電話からの入力であることを考慮して,多肢選択方式及び短い語句の記入方式とした.また,JavaアプリケーションにHTTPを実装し,サーバとのデータ送受信を可能とした. (3)Webアプリケーションの作成 クライアント(携帯電話のJavaアプリ)から送られたデータの受取り,データベースへの記録,データベースの読み出しと処理,処理結果(平均点やランキング)をクライアントへ返すなどの処理を行わせるため,サーバ側でASPプログラミングを行った. (4)検証と評価 研究代表者の所属する短大と聾学校高等部3校へ試験的に配信し,延べ112名の聴覚障害学生・生徒に利用してもらった.この際,学生・生徒の教材個別の得点及びチャレンジ回数をデータベースに記録した.また,教材の利用終了後,画面表示の見やすさ,解答のしやすさ,携帯電話による学習に対する意見などを調査するために,携帯電話からオンラインアンケートに回答してもらった.
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