研究概要 |
我々は,視覚障害者でもMathMLを用いて公開されている理数系教材に自由にアクセスできる環境を整えるための研究を行ってきた。MathMLで書かれた数式のバリアフリー化をはかるため,Webブラウザーの数式表示インターフェース「MathML Proxy」を開発した。このプログラムは、「ホームページ中のMathMLをアクセシブルな形式に変換するプロキシサーバー」である。主な機能は、(1)プロキシとしてブラウザーとWebサーバーを仲介。(2)ブラウザーからの要求に対して、Webサーバーにコンテンツを要求。(3)Webサーバから渡されたコンテンツ内のMathMLのみをアクセシブルな形式に変換。(4)変換したコンテンツをブラウザーに渡す。というものである。この機能によって、Windowsで動作する既存のスクリーンリーダーが対応しているブラウザーで数式の音声化はほぼ可能となり,数式が表示できないブラウザーでも画像としてそれを表示できるようにするものである。 教育用コンテンツの開発では、大学教養程度に出てくる数学の公式を整理し、ホームページ上で数学の公式を閲覧できるデータベースをMathMLで構築した。また,それをURL http://pegasus.gaea.jcn.nihon-u.ac.jpで公開している。その数学公式のデータベースや数式エディター(Infty Editorなど)で作成した教材をWebサーバーに掲載し編集することのできるCGIプログラムの開発を行った。 数式の音声化マクロと入出力インターフェースの開発では,Infty Editorに音声化マクロを追加した「Chatty Infty」の日本語版に加え、英語版の作成を行った。今後,その技術を発展させ,よりバリアフリーなブラウザーの技術研究を進める。
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