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2005 年度 実績報告書

アジア中東部地域における気候変動および水資源動態の分析に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16500652
研究機関日本大学

研究代表者

中山 裕則  日本大学, 文理学部, 教授 (90318329)

研究分担者 森 和紀  日本大学, 文理学部, 教授 (60024494)
山川 修治  日本大学, 文理学部, 教授 (00183674)
田 少奮  日本大学, 文理学部, 助手 (60366549)
キーワード標高情報 / 湖岸段丘抽出 / 海岸線変化 / 低気圧活動 / 前線活動 / 水収支 / 流出量 / メコン川
研究概要

地形や地表被覆と気候変動との関係については、アジア中央部の天山山脈とその周辺のジュンガル盆地とトルファン盆地において、既存のものに比較して高精度に人工衛星データから地形の標高情報を抽出するアルゴリズムを新たに開発し、これを実際に適用して長期的な気候変動の指標となりうる乾燥地域内の湖沼周辺の微地形(湖岸段丘)を詳細に抽出することができた。我が国が打ち上げて来年度より利用可能な最新の人工衛星ALOSデータを用いることでさらに高精度な分析が可能であることを確かめることができた。またアジア東部においては、長江中下流域で気候変動の影響と考えられる洪水の発生域と地形分布との関係を明らかにすることができ、長江河口部で堆積に伴う著しい海岸線拡大の時系列的な過程を明瞭に捉えることができた。
広域水循環に関しては、アジア中東部地域を対象に,メコン川流域における水収支の長期変動について解析した結果,以下の諸点が明らかとなった。(1)年流出量は,1960年代に増加する一時期が出現したがその後減少に転じ,とくに1970年代後半以降は減少傾向が顕著である。(2)年降水量,年流出量,および両要素の差に関する変動率は1980年以降負の値をとることが認められた。(3)近年における流域降水量の減少は,河口部における堆砂量の減少と海岸侵食の増大に結びついていると考えられ,次年度の検討課題とした。
アジアにおける気候システムとしては,冬季において,モンスーン・インデックス(MOI),低気圧活動の関係,北極振動(AO)・北太平洋数十年周期振動(PDO)について解析し,AO・PDOとも負のときMOIが発達しやすいことなどを導き出した。春季については,オゾン層破壊の寒冷渦など気候系への影響,夏季については,冷夏・暑夏,大雨・干ばつの出現機構について調べ,2003年の冷夏の構造などを解明した。秋季については,前線活動を中心に,台風を含む雲系ダイヤグラムを作成し,その時系列的・地域的な変動特性について新知見を得た。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] 季節〜数十年スケールからみた気候システム変動2006

    • 著者名/発表者名
      山川修治
    • 雑誌名

      地学雑誌 114(3)

      ページ: 460-484

  • [雑誌論文] 衛星データとDEMデータによる長江中流域の洪水影響域の解析2005

    • 著者名/発表者名
      中山裕則, 中村純, 杜耘
    • 雑誌名

      (社)日本リモートセンシング学会第39回(平成17年度秋季)学術講演会論文集

      ページ: 231-232

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Atmospheric conditions of the Northern Hemisphere in spring followed by unusual cool summers focusing on stratospheric ozone depletion and cold vortexes.2005

    • 著者名/発表者名
      Yamakawa, S., Ohyoshi, T
    • 雑誌名

      Jour.Agric.Meteorol. 60(5)

      ページ: 913-916

  • [雑誌論文] CORONAデータによる高精度DEMデータ作成方法の検討2005

    • 著者名/発表者名
      山口志野, 杉村俊郎, 中山裕則
    • 雑誌名

      (社)日本リモートセンシング学会第39回(平成17年度秋季)学術講演会論文集

      ページ: 225-226

  • [雑誌論文] グローバル気候変動に対する地域水文環境の応答2005

    • 著者名/発表者名
      森 和紀
    • 雑誌名

      日本水文科学会2005年度学術大会講演要旨集 No.16

      ページ: 1-2

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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