研究課題
基盤研究(C)
2003年9月〜2004年8月までの期間にCASES観測海域の観測定点(12測点)において係留されたセディメントトラップ(主に水深200m)が回収され、採集された研究試料の分析、解析作業がほぼ終了した。研究の最終年度にまとめられた内容は以下のとおりであり、それらの成果は国際的な研究会議などで公開された。1.CASES海域の集中観測点の一つであるCA4における粒子フラックスの内、陸起源粒子は大陸棚付近から流入するが、年間を通して状有機炭素の割合は約34%であった。生物起源有機物粒子フラックス(66%)は表層の食物網構造の影響を受けて季節的に変動しており、変動要因として夏季には珪藻群集、微細食者、秋季にはカイアシ類の糞粒、冬季には微小従属栄養生物と微細食者が量要であることを示した。2.冬季海氷下に出現するカイアシ類幼生について、ボフォート海とアムンゼン湾の6測点において2003年10月から2004年7月までの期間に採集されたセディメントトラップ試料中の動物プランクトンを観察した。採集試料中にはカイアシ類のノープリウスが多数含まれており、それらはCalanus Hyperboreusのノープリウス幼生I-II期であり、2-3月にかけて豊富に採集された。本研究結果から本研究海域のC.hyperboreusの再生産は、11月から12月に交尾が始まり、産卵は2-3月に行われることが明らかとなった。3.ネット採集動物プランクトン(NCZ)とトラップ採集動物プランクトン(TCZ)の比較した結果、越冬観測点(CA20)において、TCZとNCZの出現種はほぼ重複していた。しかしTCZでは各分類群組成の季節変動がより顕著であった。両者の量的な相関を見ると、一部の分類群はTCZ-NCZ間で正の相関を示した(例えば腹足類)。しかし多くの分類群は有意な相関を示さず、TCZの変動が現存量NCZに依存していないことを示した。
すべて 2007 2006 2005 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (16件) 図書 (1件)
J.Mar.Syst. 68
ページ: 39-54
石巻専修大学理工学部紀要 18
ページ: 49-59
J. Mar. Syst. 68
Mem. Ishinomaki Senshu Univ.(in Japanese with English abstract) 18
In, A. Taniguchi, et. al.(ed.), Marine Plankton Ecology, Koseisha-Koseikaku(in Japanese). (in press)