研究概要 |
本年度は環境共生型都市の勤学モデルの構築,及び地域道路整備に焦点を当て研究を行った。第1に帯広都市圈を対象として,廃棄物の発生,再(生)利用,除去を考慮した動学的応用一般均衡モデルを作成した。平成17年度では,モデルでは帯広都市圈の人口増加を仮定していたが,現実1とは将来人口は減少する可能性が高いものと思われる。この観点から,将来人口の減少を仮定したシミュレーションを行った。その結集,人口増加ケースよりも人口減少ケースのほうが1人当りの効用値は高くなるという,極めて興味深い結果が得られた。これは1人あたりの資本ストックの違いによるものと思われる。 また環境共生型都市を考えていく上では,交通が重要な要素となる。この観点から本年度は愛知県東部,静岡県西部を跨ぐ三遠地域を対象として,道路整備が地域の人口にどのような影響を与え,るのかをシミュレーションした。この結果,第二東名高速道路周辺地域では大きな便益を受け,逆に幹線道路から離れた地域では,交通条件が向上するにも拘わらず,マイナスの便益を受ける結果となった。この分析は時間を追った段階的整備を仮定しており,その意味で動学的な分析と言える。そして環境共生型都市の1つのモデルとして,コンパクトシティの実現可能性分析に繋がるものである。以上の成果は欧州地域学会に日本地域学会,国際産業連関分析学会,バングラデッシュ地域学会などで発表されている。
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