研究課題/領域番号 |
16510027
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
石原 陽子 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (50203021)
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研究分担者 |
萩原 啓実 桐蔭横浜大学, 工学部, 教授 (90189465)
富田 幸子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40231451)
小久保 博樹 国立遺伝研究所, 助手 (10270480)
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キーワード | ナノ粒子 / 粒子毒性 / DNA分析 / サイトカイン / マクロファージ / 健康影響評価 / 微小粒子 |
研究概要 |
環境中ナノ粒子発生源とされるディーゼル排出ガスを7ヶ月間、16時間/日、6日/週で、♂WKYラットに長期曝露を行い、心肺組織を摘出した。今年度は肺組織を用いてDNAプロファイルについてDNAマイクロアレイを用いて検討した。曝露群は、清浄空気曝露群(C群)、粒子0.1mg/m^3(L群)、粒子0.5mg/m^3(M群)、粒子1.0mg/m^3(H群)及び粒子除去高濃度群(HG群)の5群とした。今回のデータマイニングは5群、9検体で共通して発現がみられた2,944遺伝子を用いて行った。結果:(1)有意に発現が亢進/抑制した遺伝指数及び遺伝子発現変動の標準偏差は、M群>H群=L群>HG群の順であった。(2)conditioned treeに基づいた分類から、粒子含有曝露群の遺伝子発現パターンは比較的類似していたが、粒子曝露群と粒子除去群問の類似性は低かった。(3)粒子曝露3群で特異的に誘導される遺伝子を検討したところ、マクロファージの活性化を引き起こす補体成分(C3)、ケモカイン(CINC-2),抗酸化ストレス作用を示すヘムオキシゲナーゼ、アンジオテンシンII受容体の活性化が認められた。 以上のDNAプロファイルの分析結果から、ナノ粒子曝露では肺マクロファージの活性化を促す炎症物質の亢進と血圧調節に関与する物質の遺伝子発現が誘導されている可能性が示唆された。
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