研究課題/領域番号 |
16510027
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境影響評価・環境政策
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研究機関 | 久留米大学 (2005-2006) 東京女子医科大学 (2004) |
研究代表者 |
石原 陽子 久留米大学, 医学部, 教授 (50203021)
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研究分担者 |
萩原 啓美 横浜桐蔭大学, 工学部, 教授 (90189465)
富田 幸子 東京女子医大, 医学部, 助手 (40231451)
小久保 博樹 国立遺伝研究所, 助手 (10270480)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | ナノ粒子 / リスク評価 / 健康影響 / 分子生物学 / 超微小粒子 / 粒子動態 / ディーゼル粒子 / 大気中濃縮粒子 |
研究概要 |
本研究では、環境中ナノ粒子の健康影響評価においての分子生物学的手法の有用性(妥当性)を明確にすることを目的とした。 心肺組織は、7ヶ月間ディーゼル粒子に曝露した加齢ラットと3日間大気中濃縮粒子状物質(CAPs)に曝露された加齢ラットから採取された。DNAプロファイル分析でDNA遺伝子発現の増加が認められたものは、ディーゼル粒子曝露では補体、マクロファージ活性化サイトカイン、ケモカイン、CINC-2,ヘモキシゲナーゼ、アンジオテンシンII受容体、CAPs曝露肺では、補体、血液凝固関連因子が、CAPs曝露心組織では、補体であった。DNA発現の増加とそれらの蛋白濃度やmRNA発現とは必ずしも一致しなかった。ディーゼル又はCAPs曝露の加齢ラットのDNAレベルでの変動と生理的、病理学的所見やmRNA発現の程度には、弱い関連性を認めたに過ぎなかった。 一方、炎症関連サイトカインmRNAは、有機溶媒処理ディーゼル粒子処理ラット肺で非処理群と比較してより高い発現を示していた。単位重量当たりの粒子表面積を比較した場合、E-DEPはDEPと比較してより大であった。この事象は、肺ではナノ粒子が微粒子より強い毒性を発現しているという仮説を裏付けていた。 本研究から、DNAプロファイル分析はナノ粒子健康影響評価の初期段階で疾病関連バイオマーカーの選択に有用であり、バイオマーカーの選択後、これらのバイオマーカーのmRNA発現や蛋白濃度が確認され、最終的なナノ粒子毒性の健康影響評価は、分子生物学的成績に生化学的、血液学的、病理学的、生理学的データに加えてを総括して評価されるべきであることが示唆された。
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