研究課題
基盤研究(C)
本研究では、細胞の放射線応答・変異誘導調節に関して、シャペロン・SUMO・プロテアーゼネットワークという新規のシグナル伝達メカニズムを提唱し、次の研究成果を得た。細胞内メジエーター分子の検証:細胞内のシャペロン分子について、以下のような知見を得た。1.X線照射後のプロテアーゼ活性を指標に精製されるシャペロン分子GRP94を同定した。このGRP94siRNA処理ヒト細胞において、X線照射によるコロニー形成能が著しく低下し、GRP94のX線致死抵抗化への関与が示唆された。2.プロテアーゼ活性を指標に精製される他の分子としてHSP27タンパクが同定された。このHSP27遺伝子のアンチセンスDNA導入ヒト細胞では、チミンダイマーと(6-4)光産物の除去能の低下が見られ、紫外線致死感受性化した。HSP27タンパクと結合するタンパクを検索した結果、紫外線抵抗性の細胞で感受性細胞と比べ、よりHSP27タンパクに強く結合しているタンパクが複数認められた。3.また、変異誘導調節に関わる因子として、GRP78遺伝子が同定され、GRP78遺伝子アンチセンスDNA導入ヒト細胞では、紫外線に対し感受性となった。プラスミドDNA基質を含むCell-free systemを用いた再構成実験のシステムから、ヌクレオチド除去修復系に関与することが示された。4.さらに、細胞内修飾タンパクであるSUMOタンパクについては、X線照射後のDNA合成代謝に関わることが示唆された。また、GFPとSUMO-3の結合タンパクを細胞で一過的に発現させると、X線照射後核内でドット状にフォーカスが形成されることが見出された。ヒト個体レベルでの酸ヒストレス度の測定:ストレスによるヒト個体の酸化障害物代謝の指標として、ヒドロペルオキシド産物の測定を行った。ある種の疾患患者や重喫煙者では、体内のヒドロペルオキシド産物の量が増大することが示された。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (18件)
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