研究課題/領域番号 |
16510037
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線・化学物質影響科学
|
研究機関 | (財)放射線影響研究所 |
研究代表者 |
芦澤 潔人 (財)放射線影響研究所, 長崎臨床研究部, 臨床検査科長 (10304932)
|
研究分担者 |
難波 裕幸 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (80237635)
井原 誠 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (60175213)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2006
|
キーワード | 甲状腺 / 放射線 / DNA修復 / 細胞周期 / ATM / MTF-1 / DNA-PK / DNA-PK |
研究概要 |
放射線誘発甲状腺がんについて、DNA修復機構の関連に注目して検討した。 1.SNP解析 1)P53遺伝子のArg/Argの発現が、放射線誘発の甲状腺がんにおいて有意に低下していた。 2)ATM多型:ATMは、p53の構造や活性の重要な制御因子の一つである。(1)エクソン39,G5557A多型:(1)放射線誘発の小児甲状腺乳頭がんは、放射線誘発の成人甲状腺乳頭がんと比べ、Aアレルが優位に増加していた。(2)放射線誘発の成人甲状腺乳頭がんは、コントロールと比べて優位にAアレルが減少していた。(3)自然発症の成人甲状腺乳頭がんは、コントロールと比べて優位にAアレルが減少していた。(2)イントロン22多型:IVS22-77C/Tについて解析したがそれぞれのグループで優位な差はなかった。(3)イントロン48多型:IVS48+238C/Gについて解析したがそれぞれのグループで優位な差はなかった。 3)MDM2多型:MDM2 SNP309T/Gを解析したが、特に関連なかった。 4)XRCC1多型:XRCC1エクソン9Arg280His多型とXRCC1エクソン10Arg399Gln多型を検討したがそれぞれのグループで優位な差はなかった。 5)XRCC3多型:XRCC3 Thr241Met多型:放射線誘発の小児甲状腺乳頭がんはコントロールと比べて優位にMetアレルが増加していた。 6)MTF-1多型:検討中である。 2.甲状腺癌細胞でのDNA-PK活性:ヒト甲状腺癌細胞でDNA-PK活性の差がみられた。DNA-PKcsのみがDNA-PK活性と正の相関を示した。甲状腺癌細胞の放射線感受性は細胞種で異なるが、DNA-PK活性を阻害するウオルトマニン処理を行うと生存率はほぼ同じなり、DNA-PK活性によって生存率が決定されると考えられる。
|