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2006 年度 実績報告書

トリブチル錫によるラット脳のミエリン形成障害

研究課題

研究課題/領域番号 16510043
研究機関北里大学

研究代表者

小嶋 久子  北里大学, 医学部, 助教授 (90118810)

キーワードトリブチル錫 / 内分泌撹乱物質 / ミエリン形成 / ミエリンパンパ櫛津 / 糖脂質
研究概要

胎仔期および新生仔期に、男性ホルモン様内分泌撹乱物質であるトリブチル錫(TBT)に被曝したラットの脳ミエリン形成に及ぼす影響を調べる研究である。既に、胎仔期のTBT被曝は、ミエリン形成に影響を及ぼさないこと、新生仔期のTBT被曝で、ミエリンタンパクとNOGOレセプター発現に影響があることを明らかにしている。18年度の成果について記す。(1)スフィンゴ糖脂質合成に関与する糖転移酵素の脳におけるmRNA発現を調べると、ミエリン主要構成成分であるガラクトセレブロシド(Ga1Cer)合成のガラクトース転移酵素の発現に有意な変化はなかったが、Ga1Cerからスルファチド(CSE)を合成する硫酸基転移酵素発現が減少した。また、Ga1Cer以外の糖脂質の基本であるグルコセレブロシド合成のグルコース転移酵素の発現が大きく抑制された。(2)TBT被曝とコントロールラット脳からリン脂質と糖脂質を抽出して、それぞれの組成を比較検討した。リン脂質については、被曝群と対照群で全く差が無かった。糖脂質では、TBT被曝群のCSE量の低下が認められ、(1)のCSE合成酵素のmRNA発現低下の結果が裏付けられた。ガングリオシド構成には著明な変化は認められなかった。(3)TBTの神経に及ぼす影響を分子レベルで詳細に解析する必要があると考え、培養神経細胞でTBTの影響を検討した。細胞培地にTBTを添加した揚合、神経栄養因子NGFの存在下で添加した場合の神経突起の伸展に及ぼす影にっいて、現在(2007年2月)検討中である。(4)本研究の成果は平成18年度生化学会と神経化学会で発表した。これまでの成果をまとめて論文を作成しており、3月には投稿予定である。また、このテーマに関して、分担者ではないが、共同で研究を行ってきた成果を2報発表した。男性ホルモンのHPLC分析とミエリンタンパクに関する基礎研究である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Alteration in mRNA expression of myelin proteins in the sciatic nerves and brains of streptozotocin-induced diabetic rats.2007

    • 著者名/発表者名
      Rei Kawashima
    • 雑誌名

      Neurochemical Research 32(in press)

  • [雑誌論文] Study of neonatal exposure to androgenic endocrine disruptors, testosterone and dihydrotestosterone by normal-phase HPLC.2006

    • 著者名/発表者名
      Masahiro Kuwada
    • 雑誌名

      Biomedical Chromatography 20・11

      ページ: 1237-1241

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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