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2004 年度 実績報告書

沿岸都市域におけるエストロゲンの環境動態の追跡と削減技術の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16510062
研究機関宮崎大学

研究代表者

鈴木 祥広  宮崎大学, 工学部, 助手 (90264366)

キーワードエストロゲン / エストラジオール / エストロン / 下水 / 活性汚泥 / 吸着 / 分解 / 除去
研究概要

エストロゲンは人間によって絶えず排泄される物質であり,都市の下水道はエストロゲンを集水するシステムとしても機能している。したがって,下水道が整備されている沿岸都市域では,エストロゲンは下水処理場を経由して環境に排出される。現行の下水処理場の主な目的は有機物除去と消毒であるが,エストロゲンを大幅に低減する機能も有する重要な施設であることが明らかにされつつある。しかしながら,エストロゲンの活性汚泥への吸着と分解に至る過程については,また検討例も少なく,不明な点が多く残されている。下水処理場においてエストロゲンを安定的に除去し,沿岸環境への負荷を削減するためには,エストロゲンの活性汚泥への吸着と分解に関する基礎的情報が必要である。
そこで本年度の研究では,実際の下水処理場から採取した下水流入水と活性汚泥のバッチ式混合実験を行い,エストラジオール(E2)とエストロン(E1)の活性汚泥への吸着と分解に及ぼす影響について検討した。混合液の固相と液相のそれぞれにおけるE2とE1の経時変化を測定した。都市下水の原水中では,溶解性として存在するE2とE1は,活性汚泥と混合することによって数分間の極めて短時間に汚泥に吸着され,極めて速やかに分解された。低温条件や高負荷順化汚泥を用いた場合においても,E2とE1の汚泥への吸着性の低下は認められなかった。一方,オートクレーブ処理した活性汚泥のE2とE1の吸着能力は,著しく失活した。E2とE1の吸着に関して,活性汚泥を溝成する細菌群が極めて重要な機能を備えていることがわかった。流入下水が活性汚泥と効率的に混合され,溶解性のE2とE1が活性汚泥と接触することができれば,E2とE1は極めて効果的に除去できると考えられる。下水処理場における生物反応タンクの効率的な撹拌・混合の維持管理がエストロゲンの低減に重要であることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 浄化槽におけるエストロゲンの実態調査2005

    • 著者名/発表者名
      鈴木祥広, 平良浩保, 満山宗人, 下津義, 丸山俊朗
    • 雑誌名

      用水と廃水 47・3

      ページ: 237-243

  • [雑誌論文] 界面活性タンパク質を用いた泡沫分離法による海水からの細菌除去2004

    • 著者名/発表者名
      鈴木祥広, 花ヶ崎宣昌, 吉田照豊, 丸山俊朗
    • 雑誌名

      環境工学研究論文集 14

      ページ: 147-153

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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