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2006 年度 実績報告書

沿岸都市域におけるエストロゲンの環境動態の追跡と削減技術の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16510062
研究機関宮崎大学

研究代表者

鈴木 祥広  宮崎大学, 工学部, 助手 (90264366)

キーワード沿岸都市域 / エストロゲン / 高度下水処理 / 除去 / 河口域 / 底質
研究概要

古くから河川水中に存在する有機物や徴量金属などの溶存物質および懸濁物質は,河口域において海水と混合し,それらの一部あるいは大部分が凝集・沈降することが知られている。しかしながら,河川水と海水が混合する河口域におけるエストロゲンの挙動に関する知見は,現在においても極めて乏しい。海水混合域において,鉄やその他の溶存物質と共にE2も凝集・沈降して底質に蓄積される過程があれば,E2が河口・沿岸域の生態系に影響を及ぼす可能性も否定できない。平成17年度は,都市河川と河口域における底質と水質の1年にわたって実態調査を実施した。海水と河川水が混合する河口域の底質からE2が高濃度で検出された。河川水からは溶解性E2gが約3ng/L検出された。海氷混合域では溶解性E2が何らかの凝集プロセスに関与して沈降することが示唆された。
そこで平成18年度の本研究では,河川水の溶存物質および懸濁物質が海水と混合した時に生じる凝析や凝集の過程において,E2の挙動に及ぼす影響について,都市河川と海水の今後実験から検討した。
得られた成果を以下にまとめる。
(1)海水との混合によって,河川水中の溶存態鉄の大部分は凝集し,濾過によって能相から除去されたが,共存するE2は溶存態として存在した。
(2)E2は,河川水と海水との混合時において懸濁物質に付着・共沈することなく,溶存態として存在した。
(3)都市河川水中のE2は,海水との混合によっても,溶存物質および懸濁物質の影響を受けず,溶存態として安定的に存在することが強く示唆された。
以上の結果から,河川水中に含まれるE2は海水混合による溶存・懸濁有機物の凝集および溶存鉄の凝析による影響を受けることなく,希釈混合して拡散していく可能性が高いことが明らかとなった。底質にE2が蓄積するメカニズムは,土記以外のループがあると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Fate of natural estrogens in batch mixing experiments using municipal sewage and activated sludge2006

    • 著者名/発表者名
      Y.Suzuki, I.Maruyama
    • 雑誌名

      Water Research 40

      ページ: 1061-1069

  • [雑誌論文] 畜産排水処理施設におけるエストロゲンの実態調査2006

    • 著者名/発表者名
      鈴木祥広, 中村孝洋, 小山久男(他3名)
    • 雑誌名

      水処理技術 47(1)

      ページ: 17-22

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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