平成16年度は、化合物法を用いて含鉛青銅スクラップから鉛を除去する技術について検討した。その結果、カルシウム/シリコン化合物とふっ化ナトリウムを用い、これらの添加条件、添加温度、添加してから鉛化合物を除去するまでの温度、撹拌時間および保持時間を適切に設定すれば、溶湯中の鉛を鉛化合物として溶湯上に浮上させ除去できることが明らかになった。本技術は、現在特許出願中である(「銅合金中の鉛除去方法」:特願2004-357575、平成16年12月10日出願)。また、平成17年3月29日〜31日まで開催される日本金属学会第136回大会にて講演発表することになっている(「含鉛青銅スクラップからの鉛除去」)。 一方、新しい鉛フリー銅合金生産システムが従来の生産方式に比べてLCAの観点から優れているか否かを検証するため、ライフサイクルアセスメント(LCA)解析を行った。インベントリー分析は、生産システムと直結しているため、株式会社九州タブチの生産管理表のデータを基に行った。解析プログラムとしては、JEMAI-LCAを用いた。その結果、新しい鉛フリー銅合金生産システムの優位性が確認された。この結果は、平成17年3月29日〜31日まで開催される日本金属学会第136回大会にて講演発表することになっている(「鉛フリー青銅生産システムのLCA解析」)。
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