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2004 年度 実績報告書

生物処理システム中の腐生食物網における捕食微小動物類の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 16510071
研究機関独立行政法人国立環境研究所

研究代表者

板山 朋聡  独立行政法人国立環境研究所, 循環型社会形成推進・廃棄物研究センター, 研究員 (80353530)

研究分担者 岩見 徳雄  独立行政法人国立環境研究所, 循環型社会形成推進, 廃棄物研究センター・研究員 (00353532)
稲森 悠平  独立行政法人国立環境研究所, 循環型社会形成推進, 廃棄物研究センター・室長 (10142093)
川端 善一郎  京都大学, 生態学研究センター, 教授 (80108456)
キーワード浄化槽 / 生物学的水処理装置 / 腐生食物網 / 微生物生態系 / 原生動物 / 微小後生動物 / ヒルガタワムシ / 水質
研究概要

本研究では浄化槽やアオコ含有湖水の上水処理装置などの生物学的水処理装置内に形成された微生物生態系における腐生食物網の構造と処理能との関係を明らかにすることを目的として研究を行った。先ず、浄化槽(13℃の条件下)の好気槽内の担体に形成された生物膜における微生物生態系中の原生動物と微小後生動物を顕微鏡下で観察し個体数計算を行った。同時に処理水の水質(BOD, SS等)について測定した。約160日間で27種の原生動物と12種の微小後生動物が確認され、各微小動物間、また水質項目と微小動物間の関係についてピアソンの相関等による統計解析を行った。その結果、有意な微小動物間の相関関係が多数推定された。また、水質との相関関係では、透視度およびSSとヒルガタワムシPhilodina. spに強い相関があることが判明した。すなわち、Philodina. spの個体数密度が高いときには、浮遊細菌などを捕食することで、SSが低下し透視度が上昇することが推定された。そこで、浄化槽からPhilodna. spとEnterobacter sp., Bacillus sp., Acinetobacter sp., pantoea sp.の4種の細菌(16SrDNAに基づく系統解析により同定)を単離し、2者培養による捕食実験を行った。その結果、Phrlodina. spは4種全ての細菌を捕食したものの、増殖速度と捕食速度が異なることわかった。中でも、Acinetobacter spが特によい植物源であることが判明した。このPhilodina. spは有毒藍藻ミクロキスティスを捕食分解することも可能であり、上水処理においても有効な種として期待された。これらの結果は、今後、水処理装置内の腐生食物網のモデル生態系(マイクロコズム)の構築と、これを用いた腐生食物網の構造と処理機能との関係の解明のための基盤的知見とすることができた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 藍藻の捕食者と有毒アオコ対策2005

    • 著者名/発表者名
      板山朋聡, 田中伸幸, 岩見徳雄, 稲森悠平
    • 雑誌名

      月刊 海洋 Vol.37, 5

      ページ: 9

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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