研究課題/領域番号 |
16510072
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
中村 博昭 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料研究所, 主席研究員 (60354164)
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研究分担者 |
眞岩 幸治 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料研究所, 主任研究員 (10343849)
小澤 清 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料研究所, 主幹研究員 (90343855)
中田 毅 学校法人芝浦工業大学, 工学部, 教授 (40052815)
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キーワード | 硫黄センサー / Soxセンサー / 固体電解質 / 電気伝導度 / イオン伝導 / CaS-Na_2S固溶体 / 硫黄分圧 / Li_2O-B_2O_3-Li_2SO_4-Al_2O_3系ガラス質 |
研究概要 |
硫黄センサー用固体電解質としてCaSにNa_2Sを固溶させる製造法の検討、X線による結晶構造の解析、CaS-Na_2Sのイオン伝導特性について評価を行った。 固体電解質用の高純度CaSは試薬CaSO_4・2H_2Oを脱水後、H_2-H_2S(1%)により還元率99.99%のCaSを作製した。高純度のNa_2Sは試薬(Na_2S・XH_2O)を再結晶で精製後凍結乾燥により、無水のNa_2Sを得た。CaSにNa_2Sを固溶させる1100℃の焼成過程では、Na_2Sの昇華を原子吸光分析で確認した。昇華を防ぎ緻密なCaS-Na_2S固溶体を得る為にArを用いて加圧焼成を行った。CaS-Na_2S(5mol%)固溶体とCaSのX線解折線は、NaCl構造の結晶構造であり、固溶体のピーク位置はCaSよりも低角度側に移動しており、Na_2Sのピークがない事を確認した。CaS-Na_2S固溶体の電気伝導度を種々の硫黄分圧中で測定した結果、CaSよりも2桁増加した。電気伝導度が硫黄分圧に依存しないのでイオン伝導体である事を明らかにした。 SOxセンサー用固体電解質は結晶粒界での不純物を最小減にする酸化物と硫酸塩を熔融しガラス質と結晶質の製造法の確立を行い、ガラス化範囲の組成比の解明、固体電解質としてのガラス質・結晶質の熱的性質及び電気伝導特性について評価を行った。 Li_2O、B_2O_3とLi_2SO_4を1000℃以上において白金坩堝で熔解し、熔液をガラス転移点温度付近に加熱したAl製鋳型に注入する急速冷却によりガラス質にした。得られたガラス質のガラス化範囲の組成比を明らかにした。結晶質はガラス転移点以上の温度で焼成して得られた。これらのガラス質及び結晶質は柔軟すぎて固体電解質には適さないので、Al_2O_3(5%wt)を固溶させることにより硬化させた。Li_2O-B_2O_3-Li_2SO_4-Al_2O_3系のガラス質と結晶質は、電気伝導度と定電位分極の測定結果からイオン伝導体である事を明らかにした。
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