研究課題/領域番号 |
16510080
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
唐 捷 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料研究所, 主幹研究員 (80354158)
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研究分担者 |
松下 明行 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料研究所, アソシエートディレクター (30343859)
佐々木 泰造 独立行政法人物質・材料研究機構, 計算材料科学研究センター, アソシエートディレクター (60343852)
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キーワード | カーボンナノチューブ / 電気泳動法 / カーボンナノチューブチープ / 原子間力走査型顕微鏡用短針 / 高輝度冷電子エミッター / ナノチューブプローブ / 点電子源 / STM及びAFMプローブ |
研究概要 |
我々は電気泳動法により、制御が容易で再現性がよく、しかも様々な金属チップと付着しやすいCNTストリングの作製プロセスの開発に成功したが、プロセスの詳しい制御パラメーター及び成長機構はまだ明らかにされていない。本研究では、反応機構を解明し、プロセスを完全に制御することを目指す。これらの結果により、電子放出源としての応用、STM及びAFMプローブの作製・応用を試みた。 今年度の実績として、 1)従来開発を進めてきた電気泳動法によるカーボンナノチューブチップを用いて高輝度冷電子エミッターを製作することに成功した。金属針の先端にカーボンナノチューブを付着させる新しい方法として、室温・大気中での製作が可能な電気泳動法によるナノチューブプローブ・ナノチューブチップの開発をすすめるとともに、得られたナノチューブプローブ・ナノチューブチップの性能を検証してきた。ナノチューブチップは加熱を必要としない電子放出源としての応用が期待されているが、今回、分析機器用点電子源への応用のために、電界放出特性およびその安定性を調べた。その結果、実用上要求される値を上回る電流を極めて安定して流せるとともに、良好な放出特性を得ることができた。今回の成功により、実際の分析機器、例えば電子顕微鏡等への応用が十分可能であることが示された。 2)電気泳動法によるカーボンナノチューブチップを用いて高分解能を持つ原子間力走査型顕微鏡(AFM)用探針を製作することに成功した。簡単な電気泳動法を用いて室温でほぼ100%の確率で長さ・角度が制御できるカーボンナノチューブプローブが作製できた。新しいナノ構造の作製・解析を行うための手法を提供することができ、実用化として、ナノ分析デバイス実現に向けての研究開発を進めるとともに生物医療分野での応用展開を目指す。この研究の成果は、Nano Letter vol.15,で発表された。また、米国特許の出願番号を受け取った。プレス発表も行われ、新聞4紙に記事として取り上げられた。
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