研究課題/領域番号 |
16510083
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
水谷 五郎 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (30183958)
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研究分担者 |
菅原 昭 日立製作所, 基礎研究所, 嘱託研究員 (90226423)
佐野 陽之 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (80250843)
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キーワード | ナノワイヤ / 光第二高調波発生 / 白金 / 金 / スペクトル / 反電場 / 超高真空 / 表面準位 |
研究概要 |
1)ナノワイヤ列からの光第二高調波光観測装置の参照系の構築 単層のナノワイヤ列からの光第二高調波光強度は非常に弱く観測に時間がかかるため、レーザー光源の長期的時間ゆらぎに対する補正をする必要がある。そのために入射ビームを2つにわけ別系統で参照試料の光第二高調波を観測し、それによる主シグナルの割算でシグナル値を決定する為の参照系を構築した。作業内容は、光学部品の選定購入およびその支持具の作成、使用プログラムの改修である。本年度でこの改修の作業を、テストを除いてほぼ終了した。 2)Pt,Auナノワイヤ列の光第二高調波分光 太さ8nmの白金のナノワイヤの光第二高調波スペクトルを得ることに成功した。入射電場の方向はナノワイヤに平行あるいは垂直とし、出射電場の方向はナノワイヤに垂直とした。どちらの偏光の組み合わせについてもSH光強度スペクトルは、4.2eVにピークをもつ構造を示した。同じ試料の線形反射スペクトルは同じエネルギー位置に極小を示した。白金のフィルムはこのようなスペクトル構造を示さないので、これはナノワイヤ構造によって初めて現れた構造と言える。この構造の物理的起源は特定できていないが、ワイヤの尖った構造の部分に閉じ込められた電子状態の共鳴なのではないかと考えている。その検証は次年度以降の課題である。以前から研究しているAuのナノワイヤの光第二高調波応答についても、その起源の特定作業が進み、バルクの応答がワイヤの反電場により制限を受けた描像で説明できることがわかった。 3)超高真空中の単結晶ナノワイヤの表面準位により発現する非線形効果の観察の準備 現有の金属蒸着/光第二高調波観察超高真空槽を改造しナノワイヤが超高真空中で製作観察できるようにする準備を行った。そのために基板のファセット面を制御性よく形成させる為の、蒸着速度や温度の調節機能を行う電気系統の整備を行った。
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