研究課題
基盤研究(C)
初めての金属のナノワイヤ列の光第二高調波(SHG)の観察をNaCl(110)ファセット面上Shadow deposition法で作成した太さ60nmのAuのナノワイヤ列について実現した。AuナノワイヤのSHGの偏光および出射光子エネルギー依存性から、このナノワイヤの中のAuは光子エネルギー1.5eV以下ではAuは理想金属として応答し、それによる反電場の効果により支配されることがわかった。太さ9nmと20nmのPtナノワイヤ列をNaCl(110)ファセット面上に作成し、そのSH応答を観測した。Ptはワイヤ形成時の金属材料の熱運動が小さいため、より非対称な断面形状が形成され、より異方性の大きいSHGが観測された。特に、ナノワイヤ列に平行でナノワイヤ軸に垂直な方向の座標を2と表記すると、Auナノワイヤ列では検出されなかった、2次の非線形感受率成分X^(2)_222がPtナノワイヤ列では観察された。この理由としては、Ptナノワイヤの断面形状がAuのそれよりずっと異方的で、その異方性に伴う非線形効果を誘起したことと、Ptの誘電率の虚部が大きくPt金属の反電場効果により当該の非線形効果がシールドされなかった効果を考えた。更に太さ14nm〜19nmのCuナノワイヤ列4種類をNaCl(110)ファセット面上に作成し、そのSHGを観測した。もう1つの貴金属を加えることにより、貴金属のナノワイヤの一般的な特性を検討するためである。Cuナノワイヤの誘電応答と非線形応答はCuの局所プラズモンの性質として説明できることがわかり、電磁気学的に遅延効果を入た数値計算で再現することができた。特に、入射電場はワイヤ列面と垂直方向には局所プラズモンとの共鳴効果により、平行方向にはワイヤの断面形状の尖った部分に電場が集中する「避雷針効果」により、SH光強度応答が説明できることがわかった。これらにより、金属ナノワイヤの非線形効果の3つのタイプを例証することができ、金属ナノワイヤの性質の一般的理解に貢献した。
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