研究課題
ディスプレイへの応用に向けたナノ構造ZnOの成長制御を減圧熱CVD法とレーザアブレーション法と組み合わせた方法により取り組んだ。ZnOの成長は主にCVD法によるが、その成長中にレーザアブレーションにより添加する物質の違いによりZnO成長形状が大きく異なる。レーザアブレーションターゲットとしてMnペレットを用いた場合、配向性の良いロッド形状に成長する成長条件を見い出し、またその成長経過を明らかにした。それによると、ロッド下部には基板横方向に連続した核生成層が存在するが、その核生成層形成中のMnのレーザアブレーション条件が核生成層の厚さやその後に成長して来るロッドの径、密度、配向性に大きく影響することがわかった。またレーザアブレーションターゲットとしてZnOペレットを用いた場合、配向性の良いロッド形状に成長させるには、Mnの場合よりも成長温度を50℃程高める必要があることがわかった。この場合もZnO成長初期のレーザアブレーション条件がその後のロッドの成長形状をほぼ支配するが、Mnの場合よりも核生成層が薄く、横方向に連続しないように作製することもできた。さらにPLスペクトルの検討からレーザアブレーションターゲットの違いによりZnOナノロッドの主な結晶欠陥種の違いが生じることもわかった。このZnOナノロッドのディスプレイへの応用として、ITO /ZnS:Mn/ nanorods-ZnO /p-Si構造の直流電界発光デバイスを作製した。ZnOナノロッド層の挿入は絶縁破壊電圧の向上に効果があることは既にわかっていたが、p-Si基板上にZnOナノロッド層を作成後にO_2雰囲気下、700℃で熱処理を施すことによりデバイスのさらなる絶縁破壊性の向上と発光輝度の改善に効果があることがわかった。
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Progress in Compound Semiconductor Materials IV-Electronic and Optoelectronic Applications, (Mater.Res.Soc.Symp.Proc.) 829
ページ: B2.20.2
Proceedings of 2004 International Conference on Polycrystalline Semiconductors (to be published)
2004年電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
ページ: C-9-1
ページ: C-6-1
ページ: C-6-2
ページ: C-9-2