研究課題
基盤研究(C)
ZnOナノロッド・ウィスカの成長は、レーザアブレーションを併用した減圧熱CVD法を組み合わせた方法によった。CVDのソースガスとしてZn蒸気と0_2ガスを使用し、CVD成長中にMnなどをレーザアプレショーンにより添加した。ZnOの成長形状はレーザアブレーションさせるターゲット種により大きく異なることがわかった。ターゲットがMnとZnO焼結体を用いた場合が垂直配向性の良好な六角柱状のナノロッドが得られるCVD条件範囲が広かった。ロッドの先端は平坦であり、ロッド下部には基板横方向に連続した核生成層の形成されていた。レーザアブレーションする期間を短くすることにより核生成層の厚さを薄くすることができた。また、レーザアブレーションする期間を短くすることと0_2流量を低下させることは、ロッド径を小さくすることにおいて有効であることがわかった。しかしロッド径が小さくなるとロッドの垂直配向性は乱れた。ZnOナノロッドの電界放出特性の改善のために、垂直配向性の良好かつ先端径の小さいZnOナノロッドを0_2流量変化による2段階成長により成長させることができた。1次成長時は0_2流量が1.5[SCCM]であり、得られたロッドの径は80-120[nm]と太いが垂直配向性の良好なロッドを作製し、その上に2次成長として0_2流量を0.6[SCCM]以下にすると2次成長によるロッドは1次成長によるロッド上に成長方向を保ったまま35-53[nm]径と細径化して成長した。これによりZnOナノロッドの電界放出電流は、細径化していない場合と比較して2桁の向上(at30[V/μm])を示した。また、ZnOナノロッドを交流型無機ELデバイスの中間層として用いた結果、ZnOナノロッドを挿入していない場合と比較して、200[cd/m^2]以下の輝度範囲で動作電圧を低下させることができた。とりわけ発光しきい電圧は、40.1[%]の低下を実現した。
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