研究課題/領域番号 |
16510100
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
下坂 琢哉 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準部門, 研究員 (40295473)
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研究分担者 |
内山 一美 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (40151899)
中釜 達朗 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (50244421)
前田 恒昭 東京本部, ベンチャー開発戦略研究センター, 室長 (00357980)
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キーワード | マイクロチップ / 光架橋 / 位置選択的固定 / 抗原抗体反応 / 酵素反応 |
研究概要 |
本研究ではPDMS製マイクロチャネルを反応場に用い、安価な使い捨てタイプの酵素反応を利用するセンサとしての可能性を検証した。またマイクロチャネルの機能集積化を目的として、光架橋剤と結合させた機能性タンパク質(酵素)をレーザーによって位置選択的にチャネル内壁へ固定する手法(光固定法)を導入し、反応場の耐久性や分析系集積化の可能性などについても検討した。 フォトリソグラフ・化学エッチング法により作製したPDMS製凸型鋳型流路に、予め光架橋剤であるATFB-SEを結合したGlucose Oxidase(GOD)、Horseradish Peroxidase(HRP)の溶液をブロッキング済みチャネルに満たした。ヘリウムカドミウムレーザーを任意の位置に照射し、位置選択的に上流側にGOD、下流側にHRPを固定した。その後、チャネルを0.1Mリン酸緩衝液(pH7.3)で洗浄した。この様に作製したマイクロチャネルを用いてグルコース分析を行った。Amplex Red/0.1Mリン酸緩衝液を加えたグルコース含有溶液をチャネルに流しながら蛍光強度を測定したところ、チャネルの上流と下流とで蛍光強度に大幅な変化が確認できた。下流における蛍光増加は、含有グルコースと固定GODが反応して過酸化水素を生成し、さらにこれがチャネル内壁に固定化したHRPによりAmplexRedと触媒的に反応して蛍光物質を生成した結果である。また、Glucose濃度を変えたときの下流における蛍光強度増加率にも若干の変化が確認された。以上より、光固定法を用いたマイクロチャネル内壁でのグルコース分析の可能性が示唆された。
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