研究課題/領域番号 |
16510100
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
下坂 琢哉 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究員 (40295473)
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研究分担者 |
内山 一美 首都大学東京, 工学研究科, 准教授 (40151899)
中釜 達朗 首都大学東京, 工学研究科, 准教授 (50244421)
加藤 健次 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 科長 (00356784)
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キーワード | マイクロ化学分析システム / 酵素免疫測定法 / 酵素 / 抗体 / ポリジメチルシロキサン |
研究概要 |
本研究ではPDMS製マイクロチャネルを反応場に用い、チャンネル内表面に酵素および抗体を固定化し、微小体積中での酵素反応や抗原抗体反応を利用した測定法を研究した。一つには、酵素免疫測定法(ELISA)をマイクロチャンネルで行い、それを一般的なELISA法である96穴マイクロプレートを利用した手法と比較し、その測定時間や検出能力について検討した。具体的には、幅1mm、深さ50μm、長さ40mmのPDMS製マイクロチャンネルに、第一抗体を吸着させ、次に非特異的吸着を防止した後、試料である抗原(IgA)と酵素(Horse Radish Perioxidase, HRP)をラベル化した第2抗体を添加した。Amplex RedがHRPにより蛍光性のResolufinを生成するので、蛍光法で定量を行った。マイクロチップを用いる手法では、抗原抗体反応時間1.4分、酵素基質反応時間0.1分のとき、検量線は、0〜250ng/mLの濃度範囲で良好な直線性を示した。一方96穴マイクロプレートで同様な測定を行うと、抗原-抗体反応時間には60分、酵素-基質反応時間には30分かかり、直線性が保てる濃度範囲は0〜125ng/mlであった。従って、マイクロチップを用いる手法は、直線範囲はほぼ同等、反応時間は1/100と大幅に短縮が可能なことを示した。また、濃度が未知の試料を測定し、両者の結果がほぼ一致することを確認した。 次に、前年度に開発・研究を行った光架橋剤を利用した位置選択的固定化法を用い、酵素センサーを開発した。同一流路内に、グルコースオキシターゼ、HRPの順に別々の場所に固定化したマイクロチップセンサーを作製し、グルコースの定量を行った。8μM〜130μMの範囲で直線であることを確認した。その時の反応時間は約5秒であり、96穴マイクロプレートと比較して1/375に短縮できることが示された。
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